そうだ、デンマークに行こう! ~ 東京の「北欧」へ ~

サロンド・テ・ロンド

コロナ前にお世話になったディスプレイデザイナーの方と、『今度、国立新美術館へ行きましょう!』という話になっていました。しかし、忙しさやコロナの影響で外出を控えているうちに、1年以上が過ぎてしまいました。「そろそろ大丈夫かな」と思っていた頃、国立新美術館で『佐藤可士和展』が開催されると知り、これは見逃せないと思い、ついに実現。アートな一日をたっぷり満喫しました。

国立新美術館

言わずと知れた黒川紀章さん設計の建物で、東京の主要な美術館の中でも大きいものの一つです。一般的な美術館は、大きくても内部が小さく区切られ、天井も低く、狭く感じることがありますが、この美術館は広々とした空間があり、海外の建築を思わせます。3階まで吹き抜けが続き、正面は全面ガラス張り。自然光がたっぷりと入り、開放感は抜群です。

そのため、穏やかで落ち着く雰囲気があり、特にエントランス付近はガラス張りの吹き抜けで空港のような広がりを感じます。北欧で見かける建築と似たデザインもあり、外国の雰囲気を感じられるのが特徴です。しかも展示室以外は無料なので、海外旅行が難しい時には「行った気」にさせてくれる、気軽に行けるアートスポットです。

新国立美術館 1階
デンマーク王立図書館
オペラハウス_オスロ

国立新美術館(左)デンマーク王立図書館(中央)オスロオペラハウス(右)
どれも建物の中に建物がある感じ

著名なデンマークの椅子に座れる貴重なスポット

さらに、この美術館はフリッツ・ハンセンの家具がいたるところに!設立当時も話題になり、各フロア、特にエントランスフロアには著名なデンマークの椅子がズラリと並んでいます。展覧会やインテリアショップでは、北欧家具、特に椅子に触れたり座れたりすることはなかなかできませんが、ここでは空いていれば好きなだけ(状況によりますが)触ったり座ったりできます。しかも、入場料は企画展の入口からなので、それまでのスペースは無料!なんて贅沢っ🥰

新美1階のデンマークデザイン

1階で見られるアイテム:H.J ウェグナー(左CH07、右から2番目CH25)、
A. ヤコブセン(左から2番目)、P. ヘニングセン(右)のランプ
CH07の背後にCH25が積み重なって隅に…。ソーシャルディスタンスの犠牲 …。

ケアホルム_PK80
ヤコブセンの椅子とウェグナーの椅子
ポール・ボキューズ_ル・ミュゼ

左:2階にあるP.ケアホルムのシンプルデザインなベンチ。
長く連なる姿が美しい☆ この椅子は展示室にもあります。
右:1階でCH25に座れなかったときは3階へ。穴場です!
向かいのセブンチェアに座りたい場合は”天空”レストランへ。

サロンド・テ・ロンドのYチェア

もう一つの “空中”、サロンド・テ・ロンドではYチェアでお茶がいただける☕!

極めつけは地下!

エスカレーターで降りれば、地下は「ヤコブセン天国」!エッグチェア、スワンチェアに座れます。セブン・チェアやアント・チェアなら座る機会はありますが、この二つは見ることはあっても、座る機会は滅多にありません(ホテルなどではありますが)。一度座ったら吸い付いたように離れがたくなります(北欧の椅子はデザインのみならず座り心地もいいので。どの椅子も離れがたいですが)。

新美のA.ヤコブセンとH.コンノ

なんと美しいっ! A.ヤコブセンとH.コンノのコンビネーション
地下のフロアに凛としていながら、曲線のフォルムからか、
柔らかく豊かな気持ちにさせてくれる雰囲気を放っています。
競争率の高いヤコブセンの椅子たち、座れたあなたはラッキーかも。

エッグチェアとスワンチェア
側面の壁が障子に見えて、ヤコブセンの椅子は和とも相性がよさそう。
写真で見てても風格あって震えます。
地階カフェテリア_カレ

ヤコブセンから振り向けば、ミュージアムショップを抜けて今度はアントチェア。
一度にたくさん見れるのも気持ちいい😊

佐藤可士和展

もう一つの目的。アートディレクターの方はたくさんいらっしゃいますが、現役真っ只中で、大きな場所、長期間展示される方は少ないのでは。佐藤可士和さんがやるならやはり場所はここですよね。これまでにいくつかは知ってはいましたが、「あれも、これも??」がたくさんありました。

佐藤可士和展ポスター
佐藤可士和展_展示室

デザイン画や写真など、平面だけではなく、映像や、立体など、これまで手掛けてきた仕事が様々な形で展示されていました。身近なものが多いので、デザインに関心がなくても楽しめると思いました。逆に「これもデザインか」とデザインに興味を持つきっかけになるかもしれません。最後のセクションでは “依頼なき”作品群。縛りなく作られた作品が並んでいました。

佐藤可士和展_アートワークス
佐藤可士和展_パッケージデザイン
佐藤可士和展_"依頼なき"作品

レトロ感あふれる銀座のスポットへ

美術館を十二分に浸った後に、デザイナーの方のお知り合いが作品を展示しているという銀座の奥野ビルへ。昭和初期に建てられ、その時代を色濃く残し、現在はギャラリーや個性的なお店が入っているという、レトロ感あるアートな建物。いつか行ってみたいと思っていたので、喜んでお供しました。周りの建物と比べると、そこだけ時間が止まっているような、そこだけセピア色に見えるような独特の雰囲気。外観は変わらず、されど中は変えつつも、その雰囲気は損なわないようアレンジされていて、特に各戸のドアに個性が出ていたのが印象的でした。個人的に最も印象的だったのは手動でドアを開閉するエレベーター。階数の表示板のアールデコ感がおしゃれでした。

奥野ビル_エントランス
奥野ビル_ポスト

玄関だけではありますが、壁のタイル、そのカラーチョイス。シブいです👍。

贅沢な一日を終えて

1階のウェグナー

アートとデザインに浸る一日を、新美と銀座で過ごし、心が豊かになりました。もしまだチェックしてないなら、ぜひ訪れてほしいスポットです。タイミングが合えば、空いている日を狙ってゆったりと過ごすのは心の贅沢になるかもしれません。自分もまた狙います!

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