ケアホルム展に滑り込み

ポール・ケアホルム展

結構長い期間開催されていたのですが、結局タイミングが合わず、また滑り込みで行ってきましたε=ε=(っ ゚д゚)っ。「シブいところ突いてるなぁ」と思ったら、今回が初の展覧会だったそうで。自身、彼のデザインをすべて知っているわけではありませんが、やはりシンプルでかっこいいデザインで好きだったので、他の作品も見られるこの機会を逃したくなく、何とか見てきました。

シンプルを極めた「家具建築家」

終了間際ということもあってか、多くの人が訪れていました。年齢や性別を問わず、幅広い層が来ていた印象です。展示品は、椅子の研究家であり、多くの展覧会で出展・協力されている織田憲嗣氏のコレクションから(いつか北海道に行きたい!)。展示品の中から数点をフィーチャーした動画や、織田氏の解説が展示室内に流れていました。ケアホルムも他のデンマークデザイナーと同様に木材を使っていましたが、メイン素材はスチールで、それに木材、籐、革、大理石を組み合わせていました。だからこそ、「家具デザイナー」ではなく「家具建築家」と呼ばれていた理由に納得できました。

また、織田氏の解説にあった中で印象的だったのは、ケアホルムのスチールはピカピカしたものではなく、すべてマットに仕上げていること(マット好きとしては「やはり!」と目が輝いてしまいましたが)。マットにすることで他の素材と馴染む。冷たく感じるスチールに温度感が加わってやわらかい印象になります。光沢がある方が高級感が高く見えることもありますが、個人的にはマットの方が、落ち着き感があり、シックな面持ちになると思っています(弊店のアイテムもマットなイテム多いです)。

また、影響を受けたデザイナーの一人にミース・ファン・デル・ローエがいて、その影響を感じる椅子がいくつか展示されていました。その中でも長椅子の「PK80」は、新国立美術館で見ることができますし、座れマス(一線上に美しく並んだ2PK80は必見🌟。よろしければ、新美のデンマークデザインを撮った下記ブログもご覧ください!)。

サロン・ド・テ・ロンド

そうだ、デンマークに行こう! ~ 東京の「北欧」へ ~

【アートにどっぷり】東京にいながらデンマークに「行った気」になれるスポット、国立新美術館で写真撮りまくり!なかなか座ったり触れたりできないデンマーク家具が、ここなら座れマス‼ 建築、デザ ...

作品一例:過去の写真から

日本の美術館は撮影禁止が多いので、なかなか記録に残せないですが、デンマーク・デザインのファンなら欠かせない「デザイン・ミュージアム・デンマーク(デンマーク工芸博物館)」に行った時の写真でケアホルムの作品をご紹介(画質が悪くてすみません)。頻繫に展示替え、模様替えするので(デンマークは優秀なデザイン作品多いから)現在も同じように展示していないと思いますが、撮影当時は「ケアホルム・ルーム」のように作品が置かれていました。

ポール・ケアホルム
ケアホルム”ルーム”
デンマーク工芸博物館ケアホルム”ルーム”
グレーベースの展示室。思い込みかもしれないですが、
マットなスチールをイメージしているように見えます。

次の機会を楽しみに

今回の展覧会で、彼のシンプルさの中にある緻密さ、そして素材の使い方に改めて感銘を受けました。今のところ、他の代表的なデザイナーに比べると、ケアホルムのデザインを目にする機会が少ないですが、これを機に増えていってほしいです。今回の展覧会はすでに終了してしまいましたが、次に機会があれば、再び魅力を堪能したいです。

上部へスクロール