今回コペンハーゲンに行った目的の一つが、フィン・ユール(Finn Juhl )邸見学。世界的に有名なデンマーク・デザイナーの一人で、2012年、生誕100年の年、フィン・ユールの「お宅訪問」セミナーに参加し、コペンハーゲンに再び行くときは必ず行こうと決めていました。
フィン・ユール邸はコペンハーゲンから電車とバスで1時間ほどで行けるOrdrupgaard(オードロップゴー)にありました(ちょっとわかりにくくて焦りました💦)。
オードロップゴーには資産家立てた邸宅で、彼が集めた美術品を中心に収蔵されているギャラリーがあります。
フィン・ユール邸は、シンプルでありながら程よい柔らかさと温かみのあるデザインで満たされていました。資料によると、この家は「オープンフロアプラン」の初期の代表例だそうで、壁や仕切りを少なくして広がりのある空間を生み出しています。家や家具にとどまらず、カトラリーのような小さなアイテムまで彼自身がデザインした、まさに夢の住まいです。
彼のデザインを名工が手作りした家具と、他のアーティストによる作品が相互に作用し、調和を生み出しています。そして、そのアートや家具は、今日ではクラシックな地位を確立しています。全てが魅力的で写真を撮りまくりましたが、その中で一部(まぁまぁ撮れている)写真を記録としてアップします(順不同)。
玄関
家は玄関を挟んで左右に分かれています。左側はパブリック・エリア、右がプライベート・エリアに分かれているように見えます。
玄関からまずこの空間がお出迎え。
” Blue Lover “中谷はたまらない!
爽やかなブルーです。
左:この手前の椅子の名前は「Japan chair」!
ここの青の配色がたまらない !
右:反対側から撮った眺めも。
左エリア:代表作がたくさんある空間
玄関から左に曲がると、書斎へ。大きい窓からの日差しと白い壁が全体的にやさしい明るさと温かさを感じさせます。「フィン・ユールと言えば」のチーフテン・チェアが目に飛び込んできます。振り返ればポエット・ソファ。テンション上がります⤴⤴。
シェイプがユニークなフード(写真右)。
丸みがあり、柔らかさ、温かさを感じさせます。
今まで見た中で一番おしゃれでかわいいフードです。
自分が持てるなら、絶対コレにしたい‼
ひと部屋ですが、カギ状になっているので、仕切りがないのにナチュラルに仕切られている感があります。
画像もレイアウト通りに並べてみます。↓↓↓
左:FJ45、FJ44に、ピッタリはめたソファ。
個室感あり、穏やかに談話している風景浮かびます😌。
右:デスクの背後にはグラデーションがきれいな
グローブ・キャビネットの引き出しが
さりげなく溶け込んでます。
大きめの窓も本棚の一部のようであり、絵画のように見えます。
右エリア
右エリアはプライベートな様々な部屋がありました。
ワークルーム
広すぎず、狭すぎずの絶妙サイズ。この邸宅は縦長、横長の形が多いです。「壁」「窓」というより「壁の中に窓」という一体感を感じます。そして窓下に程よい幅の棚があるのもステキです。
キッチン
キッチンも時代を感じさせます。奥までは見れなかったですが、細長い空間で、幅いっぱいにワークトップが広がっています。
収納スペースもたくさんあり、シンクの前に窓があり、緑を眺めながらのお皿洗い、気持ちよさそうです。外の光も入って爽やかです。理想のキッチン!
ダイニング、ゲストルーム・・・
個々の部屋はそんなに大きくない印象。
ミッド・センチュリー感と柔らかい雰囲気を感じます。
余計な装飾がない、シンプルなベッド。
全体的に直線的なのがステキです。
廊下
メインルームに続く廊下。向かって右には本棚、左にはクローゼットに低めのテーブルもビルトイン。本棚の本を少しじっくり見るのにちょうどいい。絵が飾られて、スツールがあって、シンプルだけどステキな空間です。
メインルーム
ここがまさに「オープンフロア」。リビング、書斎、ベッドルームが一つの空間に。他の部屋が狭めだったので、メインの部屋の解放感がより大きく感じます。奥の絵画は窓の高さと暖炉の幅に合わさっています。その暖炉の位置も窓横の壁の中央に置かず、窓寄せになっているところは、窓と一体感があります。
椅子は48チェアと、ソファ・ベンチ。
奥にあるのはリーディングチェア。
後ろ向きで座ると背もたれがひじ掛けになる、
という遊び心付き!
ポール・ヘニングセンのスノーボールが
マッチしています。
フレームのカラーがありそうでないかわいいデザイン。
くるんとしたフットボードもシンプルだけにチャームポイントに。
シンプルなデザインだからこそディテールが光ります🌟
さらにそばにあるグローブ・キャビネットのカラーがベッドのカラーと同調しています
他にも
カトラリーなどの小さなアイテムまで
ほぼ自身でデザインしているものの、
生産されなかったものも多いそうです。
人気の高いデザイナーなので、
いつか製品化されるかもしれないですね。
左:玄関内側です。
もう少し上手に撮りたかったのですが、
他にも見学者の方たちがいて、
とっさに撮ってこんなアングルに💧。
天井のロイヤルブルーがパキッとして美しい✨
白い壁でさらに映えてます。
あとから見直すと次の部屋と揃えている感じです。
右:外から中をのぞかせていただく。
日差しのせいもあるかもしれないですが、
温かみある、穏やかな空間に改めてウットリです。
ファッションデザイナーなどは華やかな世界なだけに、家もきらびやかだったりします。それに比べると、デンマークや北欧の家具デザイナーたちの住まいは意外と質素に見えますが、彼らがデザインするものと同様に、自然を多く取り入れ、目に優しく、心地よさを追求した家が多いと感じました(そんなに多く見たわけではありませんが)。北欧の街並みも、他の欧米諸国に比べて派手さはなく、改めて”心地よさ重視”のデザインが根付いていることを実感しました。