目がチカチカするIT時代に和らぐアナログ映画
カウリスマキ監督の映画「枯れ葉」見てきました!
昨年のフィンランド映画祭に先行上映がありましたが、余裕をもって見たかったので、我慢して見送り、年末はバタバタで行けず、ようやく見られて安堵。
シブさ全開!変わらぬ「紙人形」的な味ある動きを楽しむ
音楽は冒頭にまたまたシブい竹田の子守歌。「子守歌」なのに哀愁ありすぎ。カウリスマキ世界の音楽、探すの天才🌟
今回は都会の片隅で生きる二人の男女の物語。
スーパーで誠実に働きながらも余儀なく解雇され工場勤務に。重労働でも淡々と、黙々と働き、筋の通った女性。建築現場で働きながら、酒がもとでトラブル起こし、禁酒したいができずにズルズル生きる男性がある日カラオケバーで出会う。
スマホで何でもできちゃう今の世の中で、会っているのに名前を聞かず、スマホ持っているのに敢えて紙で渡す女性。それをなくす男性。不器用な二人の再会は遠い。やっと会ってもさらに困難が続く。
ベタなストーリー、されどサッパリ、重くない。最後はほんのり。温かい気持ちで映画館出れます。
笑いどころを探す楽しみ
感情少なく、アクション最小限のカウリスマキ映画。紙人形的な動きの中で感情が出るところを探すのが楽しい。今回は、女性が家に男性を招待するために買ったカトラリーとお皿。結局使われることがなかったそのセットを片手で丸ごとゴミ箱に捨てる。表情出ずとも動きが物語るシーンでした。
北欧のセンス:魅力的な背景
今回は特に個人的に目を惹く背景が多くありました。女性の赤いキッチンがかわいかった!カーテンなどの赤は何度も登場しましたが、若干重めでそれとは違うカラーです。病院の椅子もおしゃれ。男性が過ごす部屋もシンプルだけど、シブいスモーキーカラーが印象的でした。
カウリスマキ映画に欠かせない芸達者な役者
また、カウリスマキ映画で見過ごせない、主役級の「犬」🐶!つらい生活を送る女性にしっとり寄り添っていました。監督に育てられたワンちゃんはみんな芸達者。素朴な表情(⁉)常に冷静!― じっとしてられることがスゴイ。監督と生活すると気持ちが伝わるのでしょうか。