そぎ落とされた、シンプルで美しいデザインの陶器ブランド「Ditte Fischer Copenhagen」。
その名の通りコペンハーゲンにある工房を訪問しました!
白を基調に清潔感な雰囲気。多くの色を使わず、工房全体に統一感がありました。また、こちらの工房もペンダントライトがアクセントになっていました。作業場でもおしゃれな空間が素敵です。
訪ねたときは、鋳込み作業をしていました。この日作業している方は一人でした。Ditteさんのご子息も手伝ったりするそうですが、スタッフの人数ももともと多くなかったようですが、以前よりさらに減らし、最小人数で動いているとか。ここにも「そぎ落とし」がうかがえます(ご息女もいて、お店のほうでお手伝いしているそうです)。
以前はDitteさんも鋳込みなどの作業もしていたそうですが、現在は仕上げ作業が中心。すべての商品にご自身がやすりをかけて仕上げているそうです。
窯は3台。右側は背の高いの花瓶などの時に使われます。
背の高い陶器を焼く窯の内部。
調合室。粉っぽくなるため別室に。
釉薬掛けもこの部屋で行われます。
手前のバケツはリサイクル粘土。
あのかわいい一輪、二輪挿し(チューブ・ヴァース)は
このリサイクル粘土から作られているそう。
アーミー(緑)とオリーブの粘土。
弊店ではチューブ・ヴァース、アーミーはさらに
アニバーサリーカップでこの色を取り扱っています。
手前のテーブルには試作品もいくつかあるそうです。新作は定期的には出さず、お客様のリクエストなどで商品化することもあるとか。色は数色ありますが、状況によってストップすることも。ブラック、ホワイト、グレイは定番。彼女のデザイン哲学である「シンプル」に沿っています。100年先でも時代を感じさせない、どんな場所にも合うシンプルでクラシックになるデザイン、それをハンドメイドで作り続けています。
たくさん並ぶと、やはり迫力あります。
シンプルな中にわずかな「傾き」という動きがあり、
マット感に穏やかな配色がとてもかっこよく、
洗練されいて、様々な空間にスーッとなじむ花瓶です。
最後に見せてもらった黒いかたまりは陶器アクセサリーの押し型。
薄い陶器が当たると軽やかな音がします。その音もクール!
今年3月、大手のインテリアメーカーがDitteさんの模倣品を作ったことが発覚。生産中止にできたので、市場には回らずに済んだとか。また、デンマークの会社も中国でDitteさんの商品と同じものを作らせ、ロゴまでも模倣したことも発覚。こちらも市場に出る前に止められたそうです。良くないことですが、ある意味商品の良さ、価値を認められているということでは?
この後、スウェーデンのデザインショップでDitteさんのアニバーサリーカップ(冒頭の画像)のそっくり商品を見ました。とてもシンプルなので見た目簡単にコピーできそうですが、一つ手を抜くと安っぽいものに見えてしまうと思います。素焼きの手触り、滑らかな曲線、マット感、色選び、それらの点から比べてみたら、上回っているようには見えませんでした。それだけ彼女の商品は細部まで注意を払われていると感じました。
一時期は大手の家具メーカーなども中国での生産に切り替えていましたが、最近になって国内生産にシフトするメーカーが増えてきているとか。たとえ現地でメーカーのスタッフがチェックを入れても品質は劣るようで、すべて国内で作ることが見直されてきているようです。
Ditteさんは本当にシンプルを極め、妥協のない方でした。工房も無駄のない、「そぎ落とされた」の場所であり、彼女のデザイン哲学を貫いた、商品の印象そのままの場所でした。
ちなみにご家族のことも伺いましたが、お父さまは塗装士だそうですが、趣味で絵を描いているとか。お母さまは洋裁や編み物をされていて、ご子息は建築家で、ご息女はファッションの勉強をされているという、やはり芸術一家(ご主人はDitteさんをサポート)。アートが身近にあることをまた実感 ☺!
Ditteさんは北欧の人の中では珍しく小柄。
同じくらいの目線でお話しできました。
作業されている服装までもシンプルでかっこいい。
その後、中心地にあるお店へ。
この日までチューブ・ヴァースの特別展示をしていて、
通常一連結が複数連結バージョンに。
最高19個連結!!
雑誌でもやすりの部分が取りあげられています。
それだけ仕上げが重要であることが分かりました。
さらにその後は「Designer Zoo」へ。
タイミングよく、国内の陶芸家の作品がフィーチャーされていました。
もちろんその中にDitteさんも!
店内にはあらゆるところにDitteさんの商品がありました。
その他、自分が見た限りではインテリアの“デパート” Illums Bolighus、ノルウェー・オスロのデザイン・ショップでも扱ってました。北欧ではかなり周知されているブランド。ぜひ当ウェブサイトでチェックしていただきたいです。