タイトルはいつもレトロ。
(音楽、ポスターもレトロ)
先月後半、ようやくカウリスマキ監督の「希望のかなた」を見てきました!
8月に飛行機内で見ましたが、英語字幕だったので、やはり100%で理解しなくては!と思い、見に行った次第です。
「ル・アーブルの靴磨き」に次ぐ難民テーマ3部作の第2作目。
今回はシリアの、妹と生き別れになった難民男性を出会った人々が助ける話。
いま世界的な問題であるこのテーマを、監督特有のひねりと皮肉を効かせてユニークに描いています。
アメリカ(米)映画をよく見ていた学生の頃は、何を言いたいのか 、見ただけでは分かりにくく、派手さがないヨーロッパ(欧)映画が苦手でした。
社会人になってから(少しは成長したのか?)その良さがわかってきて、逆に結末が容易に予測できる米画に興味がなくなり、大げさな表現が少ない、見た人によって感じ方がそれぞれ違ってもいい、余白を残すような、欧画に魅力を感じるようになりました

。
その中でもカウリスマキ作品はさらに個性的で、感情も動きも極力抑えた演出に最初はびっくり

しました。
漫画を見ているような…。
しかし、それを監督の個性だと解釈し、そこに少し「クスッ

」と笑ってしまう、シリアスな内容でもどこかで力を抜けさせてくれるので、重くならずに見ることができます。
今回も難民問題をストレートに、大々的に表現するのではなく、こういった独特な表現で、静かに、淡々と、時に妙な場面も入れたりしながら言わんとしていることが伝わっている気がします。

以前

ツイートでも触れましたが、 今回また「間違った日本文化」が描かれていました。
親日家だという話を聞いたことがあるので、これは監督の思う日本ではなく、日本をこんな風にみている外国を皮肉っているのでは?と思いました。
日本では大笑いしていますが、ひょっとしたら日本を知らない人々はこのシーンで笑っていないかもしれないのでは?と思うのです。
今やお寿司は「SUSHI」になっており、外国に行ったとき「はぁ

???」と思うものがネタに使われているのに、何とも思わず食べている人々を多々見かけたことがあります

。
日本に関心のない人はSUSHIは中華とかアジア料理だと思っているのを聞いたことがあります。
公開前に主役のシェルワン・ハジさんが来日されていたようですが、実際来てどう思ったでしょうか

。

監督の映画ではストーリー以外でも楽しみにしていることがあります。
「ボンド・ガール」ならぬ「カウリスマキ

ドッグ」の助演です。
過去にフランスの「パルム・ドッグ賞」の大賞と審査員特別賞を受賞している実績もあります!
今回の「コイスティネン」も叫ぶことなく、動くことなく、クールで、またうるうるな

演技が光っていました

!
またエンディングで邦画のタイトルである「希望」の象徴的な場面で、見ているものに温かさを運ぶ、重要な役割を果たしています!



(なぜそこにいたのか私にはよくわからないのですが

)
ちなみに「街のあかり」で「コイスティネン」を演じていたヤンネ・フーティアイネンと今回の「コイスティネン」が共演していたのも粋な計らいでした

。
さらに、「監督のミューズ」と言われているカティ・オウティネン。
今回はどんな役で出てくるのかも楽しみの一つでした。
「難民3部作」の第3弾はどのような切り口で描かれるのか、もう楽しみで仕方ありません

追伸

:海外の典型的和食レストランを描いておりましたが、バックに流れる音楽はカウリスマキ色の強いレトロな日本の曲でした。
そこだけは譲れなかったのでしょうか??
劇場正面:こんな気合の入った外観初めて見ました。
素晴らしい
!
そういえば最近大看板って少なくなりましたね・・・。