北欧とは繋がりがないのですが、先日いい映画を見たのでブログに載せたいと思います。唯一思い当たるのは、先日ブログでも紹介した、フィンランドのカウリスマキ監督と同じようなタイプ(独特のコメディ・スタイルを貫く)というところでしょうか。
「猫が行方不明」、「スパニッシュ・アパートメント」等を監督したセドリック・クラピッシュ監督の新作「フランス、幸せのメソッド」です。昨年フランスで公開されて、いつ来るのかと待っていたら、公開されず、DVDになってしまいました(なぜ??? あり得ませんっ
)。

原題は「Ma Part du Gâteau」。「ケーキ」と言っていますが、「分け前」という比喩表現のようで、邦題、DVDパッケージとも映画と違ったイメージでできてしまっているのがとても残念です(うまく伝わっていない気がします)。
今回は偶然かなカウリスマキ監督の「Le Harvre」同様、これまであまりとりあげなかった社会問題を独自の表現でとりあげています。
ハイ・クラスの男性ステファンとロウ・クラスの女性フランスのお話。
オープニング クレジットからこの映画がどういう映画なのかを語り始めて、
状況やセリフ等が結末のヒントになったり、登場人物の性格をよくあらわしているので、どの瞬間も見逃せず、グイグイ映画に引き込まれていきます
。
また、飲酒運転していた義理の弟に送ってもらうシーンのセリフ、
ベニスに行ったスティーブの怒りの表現の仕方、
小さなことがいろいろな人が関わって話が大きくなってしまったり、
様々な場面にクラピッシュ・ユーモアがちりばめられています。
結末もハリウッド映画のように完結せず、観客に委ねます
。
脚本も彼なので、より彼の思いが表れています。
「彼女の生き方に勇気づけられた」とか、「シングル・マザーの奮闘記」という感じではなく、私たちがイメージする華やかでおしゃれなフランスではない、厳しい状況を強いられている下層クラスの人々に焦点をあて、ユーモアをちりばめて重くならずに伝えているのだと思います。これは多くの国にもあることで、この映画で何かを思い起こさせ、考えさられた気がします。
う~ん、ちょっと違うと思うんですけど…。